エンブロイダリーレースの豆知識


エンブロイダリーレース機

エンブロイダリーレースは長さがおおよそ18m、高さ3.5m~4.5mという非常に大きな機械で刺繡するレースです。生地を張る枠は2階建てになっており、仕上り13.7mのレースが2反同時に刺繍できます。

刺繍の針は一番多い状態ですと、1段につき約520本並んでいます。針の間隔は約2.7cmで、その針を一定の間隔で抜き、針間隔を広げる事で大きな柄も刺繍が出来ます。

針の下にはボーラーという、生地に穴をあけるキリが入っています。このボーラーで生地に穴をあけた後、刺繍でしっかりとかがりこむと、エンブロイダリーレースの特徴のひとつである穴あきレース(カットワークレース)も作れます。

エンブロイダリーレースはこのように、機械が行う機械刺繍です。しかし、この機械が理想的に刺繍を行えるように調整したり、常に機械のメンテナンスを行うのは人間の仕事です。熟練された技術者がいて初めてエンブロイダリーレース機は美しい刺繡レースを作る事が出来ます。


デザイン

新しい柄を作る際には、まずデザイン画を作成します。針の間隔や機械の特性・制約を加味した上で、お客様の要望に沿ったデザインを描き上げて行きます。以前は専用のデザイン用紙に手描きで作成していましたが、近年は作画ソフトを使用してデザインを描くのが主流です。

パンチカード

描かれたデザインを6倍に拡大して製図を作ります。その製図に沿って、ひとステッチづつエンブロイダリーレース機の動きを指示する電子データをコンピュータに入力します。
このデータを入力する人をパンチャーと云います。パンチャーは機械の動きや、刺繍の専門知識を要する、とても希少な技術者です。

入力されたデータを紋紙に反映させたものをパンチカードと云います。パンチカードにはたくさんの穴が開いています。このパンチカードをエンブロイダリーレース機にセットします。機械はこの穴を読み取って入力された運針通りに刺繡して行きます。このパンチカードはステッチ数が多くなるほど長くなります。しっかりとした大きな柄ですと数百メートルに及ぶ柄も有ります。

補繡

エンブロイダリーレース機で刺繡をしていく間に、刺繍糸が切れてしまう事があります。補繡とは糸切れによって欠けた刺繍部分を人が手振りのミシンで縫い補う作業です。元の刺繍と同じ様に柄をミシンで作って行く補繡担当者もまた、高度な技術を要する重要な役割を担っています。